会員の皆様、ご来賓の皆様、本日は本当にお忙しいところ、県内各地より青森県難聴者・中途失聴者協会「第26回定期総会」にご出席くださいましてありがとうございます。
コロナ禍から始まった令和ですが、「令和新時代」と言われるように新たな気持ちでみなさまと対面しながら総会を開催できたことを大変うれしく思います。
『青森県基本計画「青森新時代」への架け橋』にありますようにこれからは、県と県民が共有する基本理念として、「AX(Aomori Transformation)〜青森大変革〜」を掲げ、この基本理念のもと、私たち県民とりわけ難聴者・中途失聴者が抱える様々な課題に立ち向かい対話を進めながら、未来を据えた新しい共生社会の青森県づくりを進めていきたいと願っています。
さて、昨年4月から「事業者による社会的障壁の除去の実施に係る必要かつ合理的な配慮の提供」が施行されました。
これまで民間事業者には努力義務とされていた障害者への合理的配慮の提供が法的義務に格上げされました。
しかしながら、事業者や活動団体の中に、聴覚障がい者が代表となる事業団体、地域の伝統行事を支えるボランティア的な活動団体では、その狭間にいる聴覚障がい者が苦しい立場にたたされてしまい、また、公的団体派遣の基盤となる「青森県意思疎通支援者派遣事業実施要領」が制定されてから10年目を迎えました。
昨年も申し述べましたが、実施要領の中に国の指針とは異なり、派遣対象外事項の中に「会員相互の親睦を目的とした活動」が明記されているのには遺憾を覚え、差別を感じられずにはいられません。
いかなる場合にも当事者にとって差別的な扱いとならないようにさらなる要望を重ねて参りたいと思います。
青難聴は、コロナ禍をきっかけに現地参加とオンライン参加が融合されたハイブリッド型の活動に取り組んできました。
「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が施行された時代とともに私たちの環境や権利は変わらないといけません。
新しい制度とともに、見えない、気づかれにくい、自分でも理解しにくい「難聴」に対する意識が変わってきております。
私たち自身が一人一人に合った説明(合理的配慮)を自分で考えて支援してもらえるように話せるようになること、これが私たちの課題であり、青難聴の活動のテーマと考えております。
意思疎通支援事業のさらなる拡充により、一人で悩む難聴者・中途失聴者が少しでも減っていくこと、そして意思疎通をごく当たり前にできる本当の意味での聴覚障害者の社会参加ができるようになることを切望して、あいさつとさせていただきます。
会長 工 藤 文 紀
会 長 あ い さ つ
2025年4月20日 第26回定期総会より
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